指揮者は自分で音を鳴らさない音楽家であるが、そこに必要なのは楽譜を読み取る洞察力、楽譜から何物かを感じる能力だろう。
そしてそれを、明解な指揮の技術に則って奏者に「伝達」する必要がある。
パフォーマンスのように棒を振り回しているだけでは指揮にはならない。指揮という芸術は決してそのようなものではないはずだ。
心よりいでしもの
再び心に至らんことを
私が常に大切にしているものは、音楽の本質を言い表したベートーヴェンのこの言葉である。
心から湧き出て心へと届く「音楽」を
いつまでも伝え続けて行きたい。